マンション1フロア・接続台数約30台の家庭で WiFi ルーターの買い替えを検討した記録です。月に数回ハングアップする6年選手を卒業するにあたって、WiFi 世代の選び方・カタログ速度の落とし穴・最終2択の比較まで全部書きます。同じように「接続台数が増えてきてルーターが不安定」と感じている方の参考になれば。
この記事でわかること
- 接続台数が多い家庭でルーターがハングアップする本当の原因
- WiFi 5 / 6 / 6E / 7 の違いと「どの世代を選ぶべきか」の判断基準
- カタログの「〇〇 Mbps」が1台あたりの速度ではない理由
- Buffalo WXR-11000XE12 と ASUS TUF Gaming BE9400 の実用的な比較
月に数回のハングアップに限界がきた
使っていたのは TP-Link Archer A10(2018年発売)。購入からおよそ6年経ちます。最近になって月に数回、突然全く通信できなくなるようになりました。
しかも始末が悪いのが、ハング中は管理画面にもアクセスできないこと。ブラウザで 192.168.x.x を開いても無反応。スマホからも当然つながらない。解決策は電源ケーブルを物理的に抜いて強制再起動するだけ。2024年にファームウェアの更新も止まり、今後改善される見込みはありません。
ファームウェア更新が止まった時点で改善の見込みがなくなり、いよいよ買い替えを決断しました。
知らない間に接続台数が約30台になっていた
買い替えを考えてまず試みたのが、接続台数の棚卸しです。数えてみると——
- スマホ・PC・タブレット:家族4人分。自分は仕事用・プライベート用・開発用と複数台持ち。子供も学校用 PC・個人 PC・スマホをそれぞれ持っており、この時点でかなりの数になる
- 開発用端末:Claude Code 用 PC、GPU 処理用 PC、Mac、Raspberry Pi 複数台、アプリテスト用 iPhone・Android
- 家電・IoT:テレビ、レコーダー、AVアンプ、体重計、スマートスピーカー、SwitchBot の電球・温度計・亀のヒーター……
合計すると約30台。子供が大きくなってタブレットやゲーム機が増えたこともあり、気づいたらこの数字になっていました。
Archer A10 はなぜ今まで持ったのか
Archer A10 の公称接続台数は 48台。台数だけ見れば余裕のはずでした。
ではなぜハングアップが起きるのか。推定原因は台数ではなく「処理能力の枯渇」です。
- 2018年当時のエントリー帯 CPU/RAM が、常時30台近くの接続を安定して捌ける設計になっていない
- FW 更新停止でメモリリーク等が放置されたまま蓄積している
- 月複数回のハングアップは「コネクション管理テーブルが消費し尽くされる」典型パターン
つまり台数の問題というより、古い世代のハードウェアが現代の使われ方に追いついていないのが本質です。
WiFi 世代を整理する
買い替えにあたって、まず世代の違いを整理しました。ざっくりまとめると以下の通りです。
| 世代 | 規格 | 周波数帯 | 多台数への対応 |
|---|---|---|---|
| WiFi 5 | 802.11ac | 2.4 + 5 GHz | △ 多台数は苦手 |
| WiFi 6 | 802.11ax | 2.4 + 5 GHz | ◎ OFDMA で大幅改善 |
| WiFi 6E | 802.11ax | 2.4 + 5 + 6 GHz | ◎ 6GHz 帯で干渉フリー(壁に弱い点に注意) |
| WiFi 7 | 802.11be | 2.4 + 5 + 6 GHz | ◎ MLO(複数帯域同時使用)が目玉 |
わが家の環境で実際に効く差は WiFi 5 → WiFi 6 の変化です。WiFi 6 で導入された OFDMA という技術が多台数の同時通信を大きく改善します。WiFi 6E はさらに 6GHz 帯を追加し干渉を減らせますが、壁に弱いため設置場所の工夫が必要です。
カタログの「〇〇 Mbps」は1台あたりの速度ではない
ルーターを比べると「AXE11000」「11,000 Mbps」といった数字が目に飛び込んできます。これは全帯域の理論値合計で、1台のデバイスが体験できる速度とは全く別物です。
多台数環境では「ピーク速度」より「全体キャパシティ」で見るのが正しい。Archer A10(約2,600 Mbps)と今回の買い替え候補(約9,000〜11,000 Mbps)では、処理余裕の桁が違います。スペックシートの数字だけで比べる落とし穴にはまらないよう注意が必要です。
最終2択まで絞った過程
条件を整理すると、自然と候補は絞られていきました。
- WiFi 6 以上(OFDMA 必須)
- 多台数接続に余裕のあるキャパシティ
- 予算4万円以内
- EasyMesh / AiMesh 対応(将来の拡張に備えて)
最終的に残ったのがこの2台です。
| 機種 | WiFi 世代 | 総キャパシティ | メッシュ | 発売時期 | 公称台数 | Amazon 実勢価格 | FW サポート |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ASUS TUF Gaming BE9400(選択) | WiFi 7 | 約9,400 Mbps | AiMesh(対応機種多数) | 2025年12月 | 56台 | 約30,000円 | ◎ |
| Buffalo WXR-11000XE12 | WiFi 6E | 約10,800 Mbps | EasyMesh(対応機種限定) | 2023年4月 | 60台 | 約40,000円 | ○ |
TUF Gaming BE9400 を選んだ理由
結論から言うと、ASUS TUF Gaming BE9400 に決めました。
決め手は3点です。
① WiFi 7 + AiMesh の組み合わせが今後も使いやすい
WiFi 7 は MLO(複数帯域の同時使用)が目玉ですが、今の端末では恩恵を受けるには端末更新が必要です。しかし AiMesh の生態系は ASUS の幅広いラインアップに対応しており、後からサテライット追加の選択肢が広い。EasyMesh はオープン規格とはいえ実態は対応機種が絞られます。
② 発売時期の差がサポート期間に直結する
WXR-11000XE12(2023年4月)と TUF BE9400(2025年12月)では発売に2年半の差があります。前のルーターで FW 更新が止まって痛い目を見た経験から、サポート残存期間はかなり重視しました。
③ 1万円の価格差
Amazon 実勢で WXR-11000XE12 は約40,000円、TUF BE9400 は約30,000円です。WXR の 4×4 MIMO・10G WAN という優位点は魅力ですが、宅内が全室 WiFi 運用で現有端末が WiFi 5/6 主体という環境では過剰スペック。その差を1万円で埋めるには至りませんでした。
選外になった機種
今回の比較で検討したすべての機種と除外理由をまとめます。
| 機種 | WiFi 世代 | 総キャパシティ | メッシュ | 参考価格 | 除外理由 |
|---|---|---|---|---|---|
| ASUS RT-BE92U | WiFi 7 | 約9,700 Mbps | AiMesh | 約37,600円 | TUF BE9400 と同世代・同機能系統なのに約8,000円高い。WAN 10G は現環境では過剰 |
| ASUS RT-AX86U Pro/J | WiFi 6 | 約5,700 Mbps | AiMesh | 約38,700円 | WiFi 7 候補と価格が近いのに1世代古い。選ぶ理由がなくなった |
| TP-Link Deco XE75 Pro | WiFi 6E | 約5,400 Mbps | OneMesh | 約15,800円 | 価格は魅力だが総キャパシティが他候補の半分以下。約30台の多台数環境には余裕が少ない |
| TP-Link Archer A10(現行) | WiFi 5 | 約2,500 Mbps | なし | — | FW 更新停止・処理限界。今回の買い替え対象 |
運用方針:まず1台でスタート
設置環境の話をすると、マンション1フロア4部屋で、中央のクローゼットに LAN コネクタを壁面埋め込み済みです。これのおかげでルーターを室内のほぼ中央に置けるのが強みです。
弱点は仕事部屋が一番端にあること。有線 LAN は引いていないため、電波が若干弱い状況です。まずは TUF Gaming BE9400 1台で運用を開始し、電波が足りない場合は AiMesh 対応機をサテライットとして仕事部屋の近くに追加する予定です(ワイヤレスバックホールで対応可能)。
よくある質問
Q. WiFi 7 は今買うべきですか?
A. 値段次第では選択肢に入ります。今回は WiFi 6E の上位機種より安い WiFi 7 ルーターが見つかったため選びましたが、主目的は MLO ではなく、発売の新しさ・AiMesh 対応・価格です。端末が WiFi 7 に揃うまでは WiFi 7 機能そのものの恩恵は限定的です。
Q. WiFi 6E の 6GHz 帯は使ったほうがいいですか?
A. 2.4GHz・5GHz 帯と比べて干渉が少ない反面、壁や床で大きく減衰します。同じ部屋・隣の部屋では威力を発揮しますが、端から端の通信には 5GHz 帯を使うほうが安定する場合があります。端末側の自動バンドステアリングに任せるのが現実的です。
Q. 公称接続台数は信用できますか?
A. 「接続できる台数の上限」と「安定して通信を捌ける台数」は別物です。公称値はアソシエーションの上限であり、常時通信する台数が増えると CPU/RAM の処理限界が先に来ます。特に古い世代のエントリーモデルは、台数が増えると早く限界を迎えます。
Q. メッシュ追加のタイミングはどう判断しますか?
A. 仕事部屋など特定の場所でだけ速度低下・接続切れが続く場合が追加の目安です。まず1台で運用してみて、問題があった場所に限定して中継機を置くのが無駄のない方法です。
※ 本記事の価格・スペックは執筆時点(2026年5月)の情報です。購入前に最新情報をご確認ください。
まとめ
接続台数が増えてルーターが不安定になってきたら、単純な台数スペックより「世代のアップグレードによる処理能力の底上げ」を優先して選ぶのがポイントです。カタログの合算 Mbps ではなく、OFDMA 対応の有無と世代差が多台数環境では効いてきます。
WiFi 7 は端末側も揃わないと目玉機能は使えませんが、価格が WiFi 6E 上位機と逆転してきたケースでは検討する価値があります。発売時期とサポート期間も重要な選択軸です。
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今回購入・比較検討したルーター
- ASUS TUF Gaming BE9400 — WiFi 7 / AiMesh 対応 / 2025年12月発売。約30,000円で最新世代を選ぶなら。
- Buffalo WXR-11000XE12 — WiFi 6E / 4×4×3 = 12ストリーム / 10Gbps 有線ポート。多台数に特化した上位機。
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