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2026年11月3日火曜日

10年前のロボット Romo を生成AIで育てた9日間を本にした『フィジカルAI ロボット開発日誌』

棚の奥で眠っていた小さなロボット Romo と、ガラクタの山から出てきた初代 iPhone SE。そこに生成 AI をつなぎ、呼べば止まり、頼めば答えて動く仲間に育てるまでの9日間を、Kindle 本『フィジカルAI ロボット開発日誌』にまとめました。

『フィジカルAI ロボット開発日誌 ― 10年前の遺物を発掘して育てる9日間』の表紙。ガラクタの並ぶ作業台の上で、古い iPhone を載せた Romo が笑っている

この記事でわかること

  • 『フィジカルAI ロボット開発日誌 ― 10年前の遺物を発掘して育てる9日間』がどんな本か
  • サーバ PC・iPhone・台座の3つに役割を分けたシステム構成
  • 本書で開発したアプリ・サーバの公開リポジトリと、オリジナルの Romo のアプリ・SDK

どんな本か

題材は、2012年に Kickstarter で目標額を大きく超えて衝撃的デビューを果たした知育玩具ロボット Romo です。キャタピラの付いた台座に iPhone を差すと、iPhone が顔になって走り回るという画期的な製品でした。現在では、開発元の米 Romotive 社は、医療物資をドローンで届ける Zipline 社へと事業を進化させており、B2C 製品である Romo については事業終息したことから修理や部品の供給は行われていません。

本書では、市場から消えた Romo の設計思想を参考にしつつ、生成 AI を搭載したフィジカルAI ロボットとして生まれ変わらせる開発を、技術知識なしでも理解できるよう物語の形式でできるだけ読みやすく書いています。

開発では、ハードウェアには手を加えず、知能をロボットの外側に載せる方針を取りました。ロボットに話しかけた言葉をサーバ役の PC へ送り、PC 側で AI と行動シナリオを組み立てて、ロボットへ返します。ロボットはそれを受け取り、自分のカメラ・マイク・キャタピラで実行します。

サーバ PC
AI と行動シナリオを組み立てる
▼ 行動シナリオ  ▲ 人の言葉
iPhone
見る・聞く・シナリオを実行する
▼ 動作指示  ▲ 状態
台座
キャタピラ・首を動かす

本書で扱う技術的な題材は、物理制御を含むシステムの役割分担、行動を表す通信仕様、実機での切り分け、そして人間と AI の協働です。

全体の設計方針は「私」が決め、開発 AI と一緒に具体化していきます。一瞬で止まるキャタピラ、自分の声への反応、名前の聞き取り。実機の動きを観察し、画面表示やログで状態を捉え、AI に伝えて次の一手を考えます。昔のアプリや SDK を読み解くと、先人が積み重ねた工夫も見えてきます。

生成 AI の頭脳を持ったロボットが、まさに走り始めようというところまで開発が進んだとき、私が気づかされた見落としとは一体何なのか。語り手の「私」と開発 AI の「相棒」との会話や、家族の反応を交えながら、9日間の試行錯誤を日を追ってたどります。

目次

  • プロローグ 呼び掛け
  • 序章 棚の奥から
  • 1日目 眠ったままの機械
  • 2日目 設計ではない
  • 3日目 ラジコンを作りたいわけではない/どうせ動きやしない
  • 4日目 一瞬だけ、生きていた/傾く首
  • 5日目 暗い世界
  • 6日目 遺物の散歩
  • 7日目 7歳の声
  • 8日目 いつも答えは同じ
  • 9日目 自分の声~前進、全身
  • エピローグ 値打ち
  • 関連リポジトリと謝辞

想定している読者

技術知識がなくても、開発の物語として楽しめるように書いています。そのうえで、一般的なアプリや Web システムの開発経験をロボットや IoT へ広げたい、自分の機器と AI を組み合わせたい、という技術者にとっては、実務に活かせる知見にもなる内容にしています。Romo という具体的な題材を通して、観察と設計の視点を伝える本です。

10年前の開封記事

この Romo は、10年あまり前に息子の小学校の入学祝いとして買ったものです。届いた日の様子は、このブログに書いていました。

本書の序章は、その台座を棚の奥から引き出すところから始まります。

公開リポジトリと謝辞

これらのアプリと SDK は、今回の開発で構造や振る舞いを読み解く手掛かりにしました。オリジナルの Romo と、その開発・保守を担ってきた方々の技術者魂に敬意を表するとともに心より感謝申し上げます。

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