- COMPUTER WORLD 「Raspberry Pi 2に続きQualcommの開発ボードもWindows 10に対応」
- マイナビニュース「Windows 10がQualcommの小型ボード『DragonBoard 410c』をサポート」
オンボードで WiFi, Bluetooth だけでなく GPS まで積んでいたり、
64bit CPU の ARMv8 だったりと面白いスペックな上、
Microsoft が Windows10 を公式に対応させることを発表しているなど
嫌でも期待してしまう1枚になっています。
スペックについてはニュースサイトで詳しく説明されいるので割愛し、
基板写真を眺めていて思ったことを書きなぐってみます。
コネクタの配置
DragonBoard 410c と同じくらいのサイズで
Linux が動作する ARM ベースの評価ボードと言えば、
Raspberry Pi と BeagleBone Black があります。
この3種類の製品の最新モデルをそれぞれ見比べてみます。
画像は公式サイトからお借りしました。
まず注目したいのは外部接続用コネクタ類の配置です。
よく見ると、三者三様でそれぞれターゲットユーザ層の違いや
想定する用途がコネクタ配置に如実に表れています。
- DragonBoard 410c
DragonBoard 410c は長方形の長辺片側にコネクタが集められています。
このくらいの基板サイズになると、USBやHDMIのコネクタの長さが無視できなくなってきます。
片側にコネクタを寄せることで複数の外部装置を接続した場合でも
コンパクトに設置できるように考えられています。
また、USB2つの配置もポイントです。
基板に余白が多いようですので、USBコネクタを二階建てのタイプにすると
もっと小型化できたはずなのですが、あえて2個を横並びで配置しています。
二階建てにするとどうしても高さがでてしまうので、狭い隙間に入らなかったり、
シールドがうまく載らなくなってしまうため敢えて小型化よりも薄さを
選んでいるように見受けられます。
おそらく、他の機材の隙間やラックの柱に貼り付けるなどといった
実運用時の状況を考慮して基板設計がされているのではないでしょうか。
単なる評価ボードではなく、業務適用に対する本気度が伺えます。 - Raspbery Pi2 B
DragonBoard とは対照的にコネクタやSDカードがバラバラに配置されています。
また、2階建てUSBが横並びで4口という豪華仕様です。
この配置ですと、全部のコネクタにケーブルを挿すとかなりかさばる上、
USB2階建ての影響で厚さも出てしまいます。
給電が AC アダプタではなく micro USB になったところからも考えて、
完全にターゲットを個人のホビーユースに絞り込んでいるように見えます。
結構売れているようですのでこの戦略はそれなりに成功しているのかもしれませんね。
その反面、実運用で USB 給電はちょっと考えにくいですし、
USB給電でUSB出力4個ってどう考えても最大電流に問題が出るため、
フル装備で24時間稼働なんて恐ろしくてできません。
IoT!IoT!とか言いながら Raspberry Pi2 を適用しようとしている人がいたら
生暖かい目を向けてあげると良いかもしれません。 - BeagleBone black
私は BeagleBone black を持っていないのですが、この形状が結構好きです。
長方形の片側の短辺に電源とLAN、反対側にUSB1口とHDMIです。
全部のコネクタに接続すると全体が細長い形状になることが
想定されているようです。
コネクタが表裏に配置されていたり、ヘッダピンの配置もシールド基板の
2階建てでの機能拡張が想定されていたりと、全体的に厚さを犠牲にしてでも
幅を狭くすることを狙っています。
その結果、今回比較している3機種の中で基板サイズが最も長く、
最も幅が狭い形状になっています。
もしかしたらラックの柱など細長い場所に貼り付けることを考えて
この形状にしているのかもしれません。
また、ただ細長いだけでなく、電源とLANが同じ側にあるのもポイントです。
通常、実運用の際は電源とLANは引き抜くことがありませんが、
HDMI と USB は取り外す可能性があり、また、その先に何らかの箱が付くため
箱を置く台などが設けられる可能性が高いです。
となると、ラックの上部から電源とLANのケーブルを下ろしてきて
途中にBeagleBone black を貼り、状況に応じて下側に外部装置を
取り付けるような使い方が想像できます。
基板設計時点でそこまでイメージできているBeagleBone black の
開発者おそるべし。
ピンソケット
若干蛇足っぽいですが、ニュースサイトであまり触れられていない
ピンソケットについても少し見ておきたいと思います。
- DragonBoard 410c
公式サイトに記載されているスペックを見ると、
60pin のコネクタは高速インターフェイスになっていて内蔵用USBが使えるようです。
これはRaspberry Pi, BeagoleBone blackにはないインターフェイスです。
センサ情報等をネットワークで送る場合、バッファリングを考えると
SDカードでは心もとないケースもあるかと思います。
パソコン用のSSDを内蔵USBコネクタで接続できれば
小型でファンレスの大容量ストレージが使えるかもしれません。
その他に、メザニンコネクタ(写真の白いコネクタ)が付いています。
どうやらここに拡張ボードを付けるとArduino互換になるようです。
何がどうArduino互換なのか謎です。Arduino用シールドが使えるんですかね? - Raspberry Pi2 B
全機種の中で唯一のオスピン採用です。
実運用時に引っかかって曲がったりホコリでショートするリスクは
全く考えていないんでしょうね。
オスピンだとクリップが使えるので便利だと考えたのかもしれません。
どこまでもホビーユースまっしぐらで潔さすら感じます。 - BeagleBone black
Arduinoのようにシールドを載せられる設計になっています。
シールドって見た目がすっきりするのですが、
どうしてもその製品専用になってしまうので
選択肢が少ない上、使わなくなったらゴミ同然。
世の中的にはシールドと言えばArduino互換しか
生き残れないのかもしれません。
お可哀想に。
という訳で、基板の設計からそれぞれ次のような特徴が分りました。
- DragonBoard 410c → 実運用を想定したハイスペック多機能ボード
- Raspberry Pi2 B → どこまでもホビーユース。業務適用?何それ?美味しいの?
- BeagleBone black → 細長く。どこまでも細長く。シールドあるよ。買う?買わない?あっそ。
いやぁ、基板って本当に面白いですね。
さよなら、さよなら。
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